30代は「余計なエゴは全部そぎ落とされて」
「20代の若い頃から『セッターにとって堂々とした振る舞いって、もの凄く大事なんだな』っていうのは、頭ではずっと分かっていた。でも20代の当時は、実際に世界の凄いサーブに崩されてシビアな試合の本番になると、プレッシャーにのまれて、心の中で「あ、ミスしたらどうしよう……」ってどうしても自分のプレーに弱気になってしまう部分があったり、あるいは、トスのことじゃなくて『選考でスタッフからどう見られているか』っていう他の余計なことをコートの中で考えていた部分とかがやっぱりたくさんあったりした。色んな心のブレがありました。でも30代になって色んな修羅場を経験した今の自分は、もう余計なエゴは全部削ぎ落とされて、シンプルに『自分がこの選手たちを活かして、チームを絶対に勝たせて引っ張っていくぞ!』っていう、その1点だけの非常にシンプルな気持ちでコートに入れているので、迷いは何も無いですね」
代表の舞台に戻ってきた今、深津は楽しんでいる。
「戻ってきた代表の舞台は楽しい。やっぱり代表のレベルはめちゃくちゃ高い。この何年間か代表を外れていた期間も、ずっと自分の頭の中では『日本代表のコートに来ること』をイメージしていた。『もし自分がもう一回あの場所に行ったら、自分だったらこうしたい』っていうイメージの引き出しがずっと頭の中にあった。今回、イメージしていたバレーがコートの上で“できる部分”が結構たくさんあるので、それはやっていてめちゃくちゃ面白い」
締め付けられるようなプレッシャーを、楽しみへと昇華できるようになった7年の時。
あの日、自分を苦しめた逆境は、今は仲間を支える力になった。
コートの真ん中で、深津英臣は今日も迷わない。
「俺を信じて跳べ」。
※トップ画像はウクライナ戦

















