2026年4月、イタリア中部の地方都市・ペルージャ。自ら車を運転して待ち合わせ場所に現れたのは、バレーボール男子日本代表のエースであり、キャプテンを務める石川祐希(30)だ。 カプチーノを注文し、少しリラックスした表情を見せる石川は、イタリアに拠点を移して11年目を迎える。
日本と比べて、異国での日常で最も違いを感じる部分を尋ねられると、彼はふっと表情を緩ませた。
「やっぱり周りの目をあまり気にせずに過ごせるので、その辺はちょっと楽かなと思います」

石川がイタリアへと渡るきっかけとなったのが、2014年に韓国・仁川で行われたアジア大会だった。当時、大学1年生の18歳で日本代表デビューを果たした石川は、低迷していた男子バレー界に現れた待望の新星として一躍注目の存在となった。

初めて世界との戦いを経験したこの年、さらなる成長を求めて石川は世界最高峰のプロリーグ・イタリア「セリエA」への挑戦を決断する。
異国の地での1人暮らしと絶対的エースへの階段
慣れない異国の地で初めての1人暮らし。19歳の若者は、覚悟を滲ませるようにこう語っていた。
「正直大変ですけどやらないといけないので。大変な経験も味わっておくと後が楽かなと思います。年齢が若いですけど関係なく、代表チームを引っ張っていけるような存在になりたい」

その言葉通り、日本代表の絶対的エースとなり、男子バレーの復活を牽引してきた石川。今年は日本のキャプテンとして、2年後のロサンゼルス五輪へ向かう勝負の1年である。
日本代表合宿の場で、石川は「やっぱりメダルを取りたいという思いは変わらない。パリで非常に悔しい経験もしたので、ロスではその経験に意味があったと言えるように」と思いを口にした。

















