「うつ病になるまで収容は違法とされないのか」
これを踏まえて、争点(2)については2人の収容の一部に違法性を認めた。
サファリさんの場合、1、2回目の収容は「不法残留の状況などに照らして、収容の合理性、必要性は相当程度高いうえ比例性の要件を欠くとは言えない」とした。しかし、3、4回目は「当時の心身の状態はうつ病と診断される程度に悪化しており、収容の必要性がサファリさんの心身に与える不利益を上回る事情があるとは言えず、比例性の要件を欠く」と判断した。
そのうえで、争点(3)の賠償責任を検討。
「東京入管主任審査官は、職務上、少なくとも健康状態の悪化により収容に耐えられない状況にある者を収容してはならないという注意義務を負う」と前置きして、「収容に先立って原告らの心身の状態を適切に把握しないまま、仮放免期間が満了したとして漫然と退去強制令書を執行(収容)させた。職務上、通常尽くすべき注意義務を尽くさなかった過失があったと言わざるを得ない」と認め、国に対して慰謝料など60万円をそれぞれに支払うよう命じた。
サファリさんの代理人の駒井知会弁護士は、「サファリさんは長い間、きちんと出頭日時を守っていた。逃げるはずはなく収容の必要性はなかった。2週間の仮放免が終わる日は、ぶるぶる震えながら入管に出頭した。収容と『2週間仮放免』が繰り返されて心身共にぼろぼろになり、絶望して絶食するほど追い詰められ、うつ病になるまで違法とされないのか。3つの要件に対する裁判所の理解が非常に足りない」と批判した。

















