案件(売春行為)で生きる少女…その中で語る夢

 雨上がり、一人の少女が重い口を開いた。母親から虐待を受け、中学卒業と同時に家を出たという。

 (少女・15)「要は同じ境遇の子と一緒にいたいって感じですね。虐待とかの話って通じないじゃないですか。みんなに言っても『え?』ってなるじゃないですか。ここだと引かれないし、逆に共感されるんで」

 母親は離婚と再婚を繰り返していて、少女には「帰ってこなくていい」と告げたという。

    (記者)「今日はこの後どうするんですか?」
 (少女・15)「この後は野宿します」
    (記者)「ここで?」
 (少女・15)「その辺で」
    (記者)「危なくない?」
 (少女・15)「お金ないんで」
    (記者)「風呂とかはどうしているんですか?」
 (少女・15)「『案件』でラブホ行くじゃないですか、その時に『先にお風呂入っていいですか?』って言ってお風呂に入ったりしています」

 少女の言う案件とは売春のことだ。

 (少女・15)「やっぱ…そういうことをする時、おじさんじゃないですか、相手って。だから結構、精神的にはきついですけど、でもやらないと生きていけないしみたいな葛藤はあります」
    (記者)「将来、どうしていこうと?」
 (少女・15)「やり方的には犯罪ですけど、案件(売春行為)とかでお金を貯めて、専門学校に行ってネイリストになってちゃんと働こうかなとか思っています」

 自らを危険にさらして命をつなぐ少女。腕に刻まれた無数の傷あと。

 (少女・15)「いつも死にたいと思っているから、切ると、今日もちゃんと生きていたんだ偉い、と思って」

 居場所を求めて、夜の街を漂流する若者たち。このまま見て見ぬふりをし続けるのか。重い課題が突きつけられている。