1月9日、大阪・淀川の河口付近にクジラが現れました。このクジラは何を思って淀川河口までやって来たのでしょうか。その種類や、今後の懸念などについて、大阪湾の海洋生物の研究を行っている大阪市立自然史博物館外来研究員の鍋島靖信さんに話を聞きました。鍋島さんは「おそらくマッコウクジラで、深海に生息するイカなどを食べるので、淀川にはエサがいない。ただし1か月ほどは食べなくても生きられる」と話します。

迷い込んだクジラは『オスのマッコウクジラ』か

ーー大阪の淀川河口付近にクジラが現れたということですが専門家から見ても珍しいことですか?
「大阪湾には時々クジラがやってきまして、大昔に淀川河口でホッキョククジラがとれたことがあります。最近はザトウクジラ、カツオクジラが港の中に入り込んで、追い出し作戦のようなものをやったことがあります。ですが生きたまま入ってくるっていうのは非常に珍しいことです」

ーー死んだ状態で流れ着くということもあるのですか?
「そうですね。マッコウクジラは10年ぐらい前に堺市の石津港の中に死骸が、流れついたことがあったんですが、生きたのが大阪湾で見つかったのは初めてだと思います」

ーー今回のクジラは何のクジラでしょうか?
「体の先頭に鼻の穴があるんですが、左の穴だけがあいてまして、体の後ろにしわが見えます。こうしたことからマッコウクジラと思われます。大きいオスは体長が15mぐらいになるんですけども。今回の浮かんでいる部分を見ると約8mとみられます。ということはしっぽの先まで測ると13、4mありそうな感じがしますね。そうなるとオスの可能性が高いです」