過去に和歌山で2週間留まり自力で帰ったクジラも

ーー淀川の河口付近ですが、水質的に問題はないのですか?
「はい、水質的にはあんまり関係ないですね。底が泥ですので体を上に置いてあまり泳がなくてもいいような形で、休憩してるみたいなところもあるんかなと思うんですけども。昔、和歌山県白浜町の入り江に大型のオスのクジラがやってきて2週間、じっとしていたんですけど、早く追い出して、泳がさないと『エサがないから心配』などと言って、みんなで大騒ぎしたんですけど体の調子が良くなったのか自分で外海へ泳いで帰りましたね。そういうこともありましたのでもしかしたら、体の調子が悪くて太平洋から水で流されてきて、この場所まで流されてきたのかもしれません。一番望ましいのは回復して自分で外へ泳いで帰ることですね。大阪湾へ流れてくる水は外海から淡路島の沿岸を通って、大阪の湾の奥の方へ来る水と播磨灘に流れる水とで二つに分かれています。たぶん逆回りで元気になったら帰るんじゃないかと思います。死んでしまうと打ち上がった場所の自治体が処理するということになります。私は昔から水産試験場などで、クジラの死骸があがったりとか、生きたまま入ってきたりしたときにどんな種類かを見に行ってまして、死骸は博物館の骨格標本にしてもらったりしてるんです。大阪市の自然史博物館にはクジラの標本がたくさんあります」

ーー水深が2m~3mぐらいということなんですが、そこは問題なさそうですか?
「下は泥ですので、傷つくということもないです。浅いことでずっと運動していなくても済みますので、そういう場所に結構流れ着いているんじゃないかと思うんです。普段でも深いところへ潜ってエサを食べますので、上がってくると水面でゆったり休憩するんですね。だからもうずっと泳ぎっぱなしのあのクジラでもないわけです」

2023年1月9日MBSテレビ放送『よんチャンTV』より