塩づくりから拡がる展望

どういう思いを込めて塩づくりをしていきたいかという問いに熊本さんは「あえて何も込めない “純粋な塩” のまま届けたい。手に取った方がいろんな思いを込めてくれたらうれしい」と話す。

新しい塩づくりのアイデアも浮かんでいる。

塩づくり職人 熊本美代子さん
「月別の新月、満月の時に溜める水で、塩の味がどう変わるのかを分析してみたい。例えば、2026年の4月、5月とすべての塩を時期ごとに分けて、成分的に見比べるだけでも面白い試みになると思う」

塩づくり職人 熊本美代子さん

目指すのは、手に取る人が自分のスタイルで選べる塩だ。

塩づくり職人 熊本美代子さん
「感覚的に『この時期の塩が好き』という方や、大切な記念日の思い出として選ぶ方がいてもいい。同時に、成分的なデータを見て『今、自分はこういう塩を身体が求めているな』と選んでもらうこともできる」

明確な特徴を持たせることで、他商品との差別化にも繋がるのではと話す。

熊本美代子さんと取材する筆者(写真右)

アイデアは塩だけに留まらない。

塩づくりの過程でどうしても廃棄されてしまう「炭酸カルシウム」「硫酸カルシウム」の存在だ。

「炭酸カルシウム」「硫酸カルシウム」の活用策を検討中
成分を分析して肥料に適しているかを調べる

塩づくり職人 熊本美代子さん
「これらを肥料として再利用してみたい。そのためにも、まずは成分分析をして、具体的にどういう成分がどれくらい含まれているのかを明確にしたい。それが分かれば肥料として適しているか調べやすいし、使う側も使いやすくなる」

現在はトマトの苗で実践している

現在、プランターのトマトの苗を使って、すでに実践を始めている。「今後はシェアハウスの畑でも実際に使ってみたい」と、目を輝かせる。

肥料として使いやすい方法があると考えている

熊本さんの塩づくりはまだ始まったばかりだ。(全3部終わり)

【第1部:「自分は世界中にいていいんだ」】
【第2部:「無理はしない、塩の声を聞く」】
【第3部:「被災地の課題を希望に変えて」】