③繊維の素材を意識

被服の専門家は、静電気対策には素材選びも大切と話します。
被服材料学が専門で、鹿児島県立短期大学の淺海真弓准教授(被服材料学)が挙げる静電気防止のキーワードは、素材と重ね着の組み合わせです。

(被服材料学が専門・県立短期大学 淺海真弓准教授)「天然繊維(綿、麻、絹、羊毛など)は吸湿性が大きく水分を多く含むため、静電気が発生してもうまく流れ不快な静電気を感じにくい」

④重ね着は「素材の組み合わせ」に気をつけて 「保温肌着+ウール」はNG…

重ね着の多い冬場は、合わせる素材も重要です。
下の表は、繊維がこすれたときプラスかマイナス、どちらの電気を帯びやすいか表した「摩擦帯電列」。
距離が離れているもの同士がこすれると静電気が発生しやすくなります。

距離が離れたものを組み合わせて着ると静電気が発生しやすくなる


たとえば、冬場に重宝する「保温性がある機能性下着・保温インナー」はアクリル製のためマイナス側です。プラス側で最も右にある羊毛のセーターと合わせると、静電気が発生しやすくなります。なるべく同素材のものを選ぶのがおすすめです。

距離が離れたアクリルとウールの組み合わせは静電気発生しやすい

スーツなどの裏地によく使われるキュプラはプラス側です。表がウール、裏地がキュプラの上着に、綿のシャツ、綿の下着だと静電気は発生しにくい組み合わせと言えます。

⑤柔軟剤の使用

(淺海真弓准教授)「柔軟剤を使用することで繊維同士のすべりがよくなるので、摩擦が軽減され、静電気が起こりにくくなる。容器に書かれた使用量を守ることが大事」

空気の乾燥も続き、静電気が起こりやすくなるため、手軽にできる対策から試してみはいかがでしょうか。