「子どもが被害にあい、親も出勤できなくなる」
見落とされがちなのが、被害者「本人」だけでなく家族もまた休暇を必要とするケースだ。永家氏は特に、子どもが性犯罪被害にあった親の状況を強調する。
「子どもが被害にあうと、母親のほうも大きく傷つくことが多いんです。守れなかった、気づかなかったという自責の念で、母親自身も仕事に行けなくなります。仕事をしている間に子どもがまた被害に遭うのではないかという不安も出てくる。そうなると、もう仕事どころではないわけです」
被害者やその家族が「仕事を休める根拠」が職場に存在しないと、精神的プレッシャーはさらに重くなる。
もちろん会社側も被害にあった当初は理解を示すが、聴取や裁判、体調不良などで休みが重なってくると、面と向かっては言わないものの次第に「また休むのか」という空気になるケースも少なくないという。
「申し訳ないという気持ちを抱えながら休み続けるうちに、会社側の空気が変わっていくのを被害者は敏感に感じ取る。そして、もう辞めるしかないという決断に至ってしまう」と、永家氏はこの問題の根深さを指摘する。
ちなみに厚生労働省によると、裁判員の休暇制度では、導入している企業のうち、約7割が「有給」として扱い、約9割が取得可能な日数に上限を設けていない。














