有給休暇はあっという間になくなる現実

裁判だけでも年に10回以上行われる場合もあり、有給を使い果たしたあと、継続して働くことが困難になることもあるという。

「一度回復したように見えても、裁判で加害者と対面することで再び状態が悪化し、また病院に行かなければならなくなる。そのたびに休暇を取れる仕組みがなければ、被害者は居場所を失っていきます」と永家氏は話す。

法廷(資料)

導入率は1.4% 認知度9.6% 裁判員の休暇制度は50%なのに…

「犯罪被害者等基本法」では、国や自治体などが講ずべき基本的施策の一つとして「雇用の安定」を明記している。

厚生労働省も、リーフレットやポスターを作成し、企業などに「犯罪被害者等の被害回復のための休暇制度」について啓発を進めている。

しかし現実には、こうした休暇制度を設けている企業は少ない。

国によると、令和5年度時点で、国内企業の導入率はわずか約1.4% にとどまっている。企業の認知度も、令和6年度時点で9.6%だ。

裁判員の休暇制度の導入が約50%となっているのに比べ、その低さが際立つ。

永家氏は「鹿児島でも被害者等のための休暇制度がある企業はゼロだと思います」と言う。

実際に支援の現場では、被害者が有給休暇を使い果たした後に欠勤せざるを得なくなり、やがて退職するケースが「年に複数回」起きているという。