―――世界にウイルスが拡散されることになるのではないか、ということについては。
これは中国だけではありませんが、欧米が新規感染者のカウントを積極的にすることはやめ、海外旅行も広がりました。そのため欧米がウイルスが広がったもとになったんですが、これまで感染をしていなかった中国の余地があったところに感染をして、外に広がるということになると、世界中でウイルスがかつて3年間ないほど広がる状況になることは、間違いないと思います。

―――日本と中国の行き来です。中国は今月8日から水際対策が緩和され、入国者のこれまで8日間あった隔離措置が撤廃されます。また、国外旅行も事実上の解禁となりそうです。いっぽう日本は岸田総理が、今月8日から中国からの入国者に臨時的な措置を強化すると発表しています。ただ、城戸教授の考えとしては、「検疫を強化してもすり抜けが多発し、実効性が薄い」と疑問視されています。むしろ医療費負担や、医療アクセスの問題、マスクの習慣など、このあたりに関する「法整備」などをするべきとお考えなんですね。
はい。今中国がゼロコロナ政策をやめて大きな波が来たので目立っているだけですが、いま全世界的に第8波に相当するような感染の流行があることは間違いないです。なので、中国だけを狙い撃ちにするような水際対策をやっても、実効性はかなり乏しいと思われます。日本は外の国を心配するのではなく、今後持続可能な日本のシステムをどう取り戻していくのかということに議論やエネルギーを集中していくべきかと思います。
―――岸田総理は「マスク着用」に関しては専門家の意見を聞きながら考えていかなければならないと話しましたが、マスクに関して先生はどうお考えですか。
今までユニバーサルマスクといって、全ての人がマスクをどんなときも着用するということが求められてきたわけですけれど、それをやっても感染しているわけなので、その実効性というのは乏しいと言わざるを得ないと思う。必要なときに必要なところ、例えば病院の中とかそういうところに集中して、メリハリの効いたマスク着用というのが必要かなと思います。
(三澤肇解説委員)長い目で見ると先生の言う通りですが、今波が来ている中で、政府として防疫措置をきちんと取らなきゃいけないというのは確かだと思うんです。台湾の現地紙によると、空港に着いた中国本土からの客の4分の1が陽性だったという話もあったと。短期的に見ると広がっちゃうので、国としては防疫措置を取らざるを得ないんでしょう。また長い目で見ると、こういった法制度の整備をやっていかなきゃいけないので、そこのバランスなんでしょうか。














