■アマゾン配達ドライバー「AIの指令で自由はない」荷物は1日200個超

アマゾンが新たな配送方法を導入したのには訳があります。ネット販売の拡大が続くなか、配達員は慢性的な人手不足になっているのです。現場からは悲鳴も聞こえてきます。


個人事業主のドライバー
「こういう感じですね。これ110個あります」

軽ワゴン車に満杯の荷物。全てアマゾンで注文されたものです。


配達はAIを使ったアマゾンのアプリがルートをナビゲーションします。


個人事業主のドライバー
「結局AIからの指令ですから、自分たちに自由はない」

20年、配達の仕事をしているという個人事業主のドライバーの女性。


午前中に集荷した110個の荷物を午後3時までに届けなければいけません。


個人事業主のドライバー
「あそこの山の方に行きます」

配達先によっては車で近くに行けない場所もあります。また、配達先が不在などで余計に時間がかかる場合もあります。


個人事業主のドライバー
「居ませんでした…」

この日とった休憩は10分ほどのトイレ休憩のみ。

午後3時までに午前分の配達を終えると・・・


個人事業主のドライバー
「93個です。(合計)200超えてます」

ーーこれは普通ですか?

個人事業主のドライバー
「最近の普通です」

夕方、さらに荷物を集荷。これを午後9時までに配らなければいけません。


休みなく配り続けましたが・・・

個人事業主のドライバー
「終わらすことができませんでした」

ーー荷物はどれくらい残っていますか?

 
個人事業主のドライバー
「数は多く見えるんですけどあと10軒分だった」

ーーこういうことはよくあるんですか?

個人事業主のドライバー
「最近多々あります」

ーー(届ける荷物は)何個が適正だと思いますか?

個人事業主のドライバー
「一日、朝から夜までの適正個数は120個ぐらいだと思う」

この日は13時間労働で荷物は203個でしたが、この個人事業主のドライバーは9時間労働で荷物は120個が正常な働き方だと訴えます。

■ドライバーが労働組合結成 委託先配送業者「誠意をもって対応している」


労働組合のデモ
「ガンバロー!ガンバロー!」


2022年、個人事業主のドライバーたちは横須賀と長崎で労働組合を結成しました。アマゾンジャパンの本社前で荷物の量の適正化や賃金などの待遇改善を求めるデモなどを行っています。ちかく東京でも新たに組合を結成する予定です。

こうした現状についてアマゾンジャパンに聞くと・・・


アマゾンジャパン アヴァニシュ氏
「私たちは委託先配送業者と契約を結び、その業者が人材募集やトレーニングなどを行います。配達員の方がいくつ配達するか、どのエリアで配達するかは委託先配送業者が決めます

個人事業主のドライバーはアマゾンジャパンの社員ではなく、配送に関する稼働管理などについてはアマゾンが委託した配送業者の責任だといいます。

一方で、個人事業主のドライバーの不満については・・・


アマゾンジャパン アヴァニシュ氏
「委託先配送業者には正当な賃金と安全な環境で労働ができることを契約上で求めています。契約準拠していない場合は適切な対応を行います」


委託先配送業者の一つは「news23」の取材に対し労働環境などについて「誠意をもって対応している」とコメントしています。