復興姉妹校として手を取り合って

出前授業のことを、宮本さんは次のように振り返ります。

宮本さん「出前授業では、涙を流し能登に思いをはせてくれる児童もいました。『俺のママが能登にボランティアいってたでー!』、『私のパパが仕事で復興のお手伝いに行っててんでー!』、『ばあちゃんが能登のお菓子かってたでー!』といろんなことを教えてくれました。

“阪神淡路”から31年。阪神淡路の日に私たちはこの世に生まれていませんが、あの日起きたこと、多くの尊い命が失われたこと、手を取り合って復興してきたことを知っています。

なぜなら、“阪神淡路の日”を知っている人々が毎年私たちに語ってくださったからです。

小学生の頃、毎年1月には『阪神淡路のお話』が時間割にありました。1.17の日には『阪神淡路音楽朝会』がありました。追悼のために、あの日を忘れないために、いつか来る南海トラフに備えるために、『しあわせ運べるように』を歌いました。その記憶が関西人の防災意識につながっています」

また、能登で頑張っている人たちにエールをおくりたいと湊小学校よりご相談をいただき、「自分の大好きな町野町に届ける方法はないか」と考えて、町野町の町野小学校(新年度からは東陽中学校)と継続的に交流が出来るように、繋がりを持たせていただきました。3月の年度末という時期でのご紹介でしたが、町野小学校さんも、新年度からの交流に期待を寄せられていらっしゃいました。

校長先生(当時)「湊小学校さん、宮本さんからのメッセージ、とても有り難く、いい縁をいただきました。この先、自分たちの町が復興に向かって行くなかで、かつての災害から30年かけて復興した町のお話を聴けることがいい体験になるだろうと、感じています」

宮本さん「湊小学校と町野小学校の取り組みが、『阪神淡路大震災と能登半島地震の記憶を未来につないでいけるものになりますように』と願っています。

一度、同じ大きな傷を負った仲間同士、復興姉妹校として、手を取り合ってともに復興していけますように。私自身も、関西から『31年前は助けに来てくれてほんまおおきに!一緒に復興頑張ろうや!』と思いを込めて活動していきたいです」

町野町との縁を大切に、語り部としての活動を続ける宮本さんの取り組みは、まだはじまったばかりです。

MRO北陸放送では、被災地の声を集め続ける藤本さんが見つめる被災地の現状をNEWS DIGで、毎月掲載します。

藤本透
シナリオライター。アプリゲーム『ノラネコと恋の錬金術』メインシナリオライター。『ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル』、『ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル2』のシナリオ執筆に携わるほか、様々なジャンルでの執筆を手がける。石川県輪島市町野町出身で、石川県を舞台に描かれたアニメ「花咲くいろは」の小説版を執筆。2024年1月1日の能登半島地震発生以降、SNSを通じてふるさとの情報を日々きめ細かく発信している。

輪島市町野町は輪島市の東側にあり、能登半島地震の震源地である珠洲市と隣り合っている。1956年に編入されるまでは町野町として単独の町だった。