戦争のために“悪用される平和” その背景に「単純化」

為政者は、「平和」の曖昧さを逆手にとって、しばしば「平和のための戦争」といった大義を掲げてきました。

今回のイラン攻撃で、トランプ大統領は「今や『平和』が訪れようとしている。我々が徹底的に叩きのめしてやったからだ」と発言。

また、ウクライナ侵攻に際し、プーチン大統領は2023年、「ロシアが目的を達成すれば、『平和』が訪れる」と話しました。

伊藤さんは、こうした「平和の悪用」の背景には、物事の都合の良い単純化があるといいます。

伊藤剛さん
「戦争というのは、世界の複雑なものを、こうであるべきだと『単純化』する暴力。敵と味方、善と悪、文明と野蛮、世界のかたちを二項対立に還元してしまう」
「複雑なものを複雑なまま、維持し続けることが平和なんじゃないか。それを諦めると単純化される暴力の中に組み伏せられるか、ひれ伏すしかない」
「複雑さを理解しようとする行為の中にしか、平和はないんじゃないかと」

世界を単純化する戦争という暴力に、どう抗えばいいのでしょうか。ローマ教皇は、こんな希望を語ります。

ローマ教皇レオ14世(16日)
「世界はほんの一握りの暴君たちによって荒らされている。それでも支え合う多くの仲間たちによって、世界は保たれている」