S-カチオン化とは
「S-カチオン化」とは、不安定で凝集しやすいタンパク質の硫黄原子(S)をカチオン化(正電荷付与)することで、水溶性を高めて精製しやすくなり、高品質な抗体の作製や診断薬開発を可能にする技術のことです。
がん・自己免疫疾患の領域では、患者ごとに異なる免疫応答を正確に把握する「プロファイリング」や「モニタリング」が求められていて、血液中の自己抗体(抗体は本来は細菌やウイルスなどの異物と結合するが、誤って自分自身のタンパク質を異物と認識して結合する抗体のこと)が重要なバイオマーカー(病気の有無、進行度、治療効果を客観的に評価する指標)として注目されています。
しかし、標的となる自己抗原の多くは「天然変性タンパク質」に分類され、不安定で凝集しやすいため、自己抗体の高精度な測定の障壁となっていました。
この研究では、S-カチオン化法で精製した自己抗原をウサギに投与すると、高品質な抗体が取得できることが確認されました。そして、その抗体で自己抗体の定量測定系の精度を検証すると、誤差20%以下の高い再現性と信頼性が確認され、臨床研究で利用できることが実証できました。














