ナフサ「確保」でも不足の背景

高市総理
「原油の安定供給に万全を期すため、5月上旬以降、第2弾の国家備蓄の放出として約20日分を放出します」

10日、高市総理は石油の国家備蓄を新たに約20日分放出すると表明した。

ナフサについては、在庫が懸念される医療器具や食品トレーなどの流通状況を把握する仕組みを立ち上げ、相談窓口を設置した。

政府は、ナフサについて、全体で「少なくとも国内需要の4か月分を確保」と説明している。資源エネルギー問題に詳しい岩間剛一教授は、こう指摘する。

和光大学 岩間剛一教授
「マクロで見れば全体としてはある。でも、個々の製品について4か月分あるかどうかっていうのは、また別問題だってことです」

ナフサを分解すると、およそ一定の割合でさまざまな基礎化学品が「同時に」生まれる。不足するものだけをピンポイントで作ることが難しい。

さらに、一口に川中製品といっても多種多様で、それぞれ用途が異なる。

和光大学 岩間剛一教授
「原油からいろんな複雑なプロセスを経て、多様な製品が作られていく。多様な製品からさらにまた別の製品が作られていく。そういうかなり複雑なサプライチェーンの中で、穴が開いてしまって足りなくなるものが、部分的に出てくることはあり得る」

政府は、川中製品について、海外からの調達も進めるとしている。

ホルムズ海峡の封鎖により、世界の石油の流通の約2割が止まった。

Q.海外の調達に関しても、どれくらい現実味があるのかっていうのを伺いたい。世界の今の需給バランスの中で現実的に可能なのか?

和光大学 岩間剛一教授
「だからもう、かき集めるしかないですよ。米国だけじゃなくてカナダとかですね、アフリカ諸国とかですね、そういったところからかき集めなければいけないということになるわけですよね。世界全体として、(日量)1億バレル使っていたものが、2000万バレル消えてるわけですから。そういった意味で言うと、そんなに簡単な話ではない」

アメリカとイランの「停戦合意」により、ホルムズ海峡の通行再開が期待される一方で、影響が長期化する可能性もあるとみている。

和光大学 岩間剛一教授
「中東の石油精製設備とか油田とかが破壊されてます。そういったことがあると、実際にたとえホルムズ海峡を通過できるようになっても、少なくとも2か月〜半年は元の状態には戻らないということになるので。日本としても、いくら当面は大丈夫だとしても、できるだけ早い段階で省エネルギーとか、石油化学製品の無駄遣いをしないとか、そういったようなことをしていく必要があるんじゃないかなというふうに思います」