練習ラウンドですでに感じていた“感覚”「ゴルフ人生でない」

Q.2021年のマスターズの4日間、特に印象に残ってる瞬間っていうのはありますか?

松山:「(4月8日木曜日の本番の)前の日の練習ラウンドをしなくていいや」って火曜日に思えたことが、一番印象に残ってますね。月火と練習ラウンドして「水曜日にラウンドしなくても自分のやるべきことを調整すれば、回らなくてよくない?」って僕も思ってましたし、そんときのチームみんなも思って意見が一致した。結果もずっと出てなかったし、優勝も3年ぐらいしなかったのに、それでも(本番前に)その状態になったっていうのが一番印象的でしたね。

Q.(それまでの練習ラウンドで)思った通り振れるし、ボール飛んでくれるし。

松山:そこまではいかないんですけど、何か感覚的にもうちょっと詰めればいけるんじゃないかなっていうのがあったんで。

Q.これって年に何回かある瞬間なんですか?

松山:ないです。ゴルフ人生でないです。

Q.その1回こっきりですか?

松山:試合の前に4日間これでいけるんじゃないかっていうのは、その1回こっきりですね。

Q.勝って18番を引き上げていくというところでは何を思いました?

松山:絶対に勝ちたいと思ったのは、9番ホールが終わってからなので。それまではド緊張してましたけど、やるべきことをやってという感じで淡々とやってた。9番のセカンドあたりぐらいに、絶対に勝たなきゃいけないっていう思いが強くなったっていうのはあります。その思いがあるからグリーンを降りるときに終わったっていう安心感が凄いありました。

Q.震災から10年っていうタイミングはどうでした?

松山:いや、何かあるんだろうなっていう特別な力が働いてるんじゃないかなってすごく思いましたね。

Q.招待を受けて85年で松山プロが勝ってくれたわけですけれども、日本の先人たちに対して敬意というか、オーガスタに挑戦しては跳ね返されてっていう先輩に何か思ったりもしましたか。

松山:中嶋さん、ジャンボ(尾崎将司)さん、青木(功)さんが実際に勝てなかったっていう試合ですし、何か見えない大きな力があるんだろうなっていう思いがあって。日本人というか世界中のゴルファーの憧れの場所で、プレーしたら本当にテストなんかっていうぐらい振り落とされてる感じがするんで。それに勝ったときだけ、受かったんだなみたいな、合格をいただけたんだなみたいな感じでしたね。

Q.ピンポジションも毎年大体わかっていて、今年はこのショットできなかったなって打ちのめされることもあって、逆に今年はここをクリアできたなっていう。その繰り返しなんですか?

松山:そうですね、同じがゆえに前のホールでこういうショットを打って、次こういう感じになっていくっていうところで、どんどんどんどん自信が削られていくっていうのがあるので、削られていく心を食い止める自信がないといけないと思う。

Q.そういうコースってオーガスタだからですか。

松山:他には僕は経験してないですね。