落としどころは? 「双方が“実質的に勝利”として収まること」との見立ても

小川彩佳キャスター:
一部では、イランの最高指導者のモジタバ師が、アメリカとの交渉に合意したという報道もあります。これはどうなのでしょうか。

秌場聖治 元JNN中東支局長:
そもそも対米交渉は、これまでも最高指導者の意思決定でやってきたので、実際に行われているのであれば、同意していない方が不自然です。なので、これはそうだろうと思います。

ただ、問題は中身です。現時点ではイランが有利とまでは言えないとしても、主導権を握っているというふうにイランは思っているでしょう。

トランプ大統領は、短期的な目標に向けて動いているような気がしますが、イランはもう少し長いスパンで見ているようにみえますので、どう折り合っていくかだと思います。

小説家 真山仁さん:
何となくトランプ大統領は焦っているのかなという気がします。

交渉をしている間の発信は、自分たちの思惑に引っ張りたいみたいなところがありますよね。トランプ大統領が、指を折って「これだけできている」というのは、いつものやり方以上に、“早く結果を出さなければいけない”という焦りを感じますが、イラン側からすると、「我々は被害者だ」となるでしょう。

イランがどこかで「テーブルに着いてあげてもいい」「しばらくは無理」などと、シグナルを出す可能性があると思うのですが、秌場さんが中東をみていて、そうした独特のシグナルのようなものはあるのでしょうか。

秌場聖治 元JNN中東支局長:
イランは、イスラム共和国体制が生き延びれば“勝ち”だと思っていると思います。

しかも、ホルムズ海峡を人質に取れば、アメリカも降りてくるということが、おそらく成功体験として残るでしょう。イスラム共和国体制の存続と、ホルムズ海峡の何らかのレバレッジを保存する形の提案をアメリカがしてくるのであれば「乗ってやってもいい」となるのではないでしょうか。

小説家 真山仁さん:
謝らなくてもいい、そこは我々(イラン)のほうが大人だと言いたいわけですか?

秌場聖治 元JNN中東支局長:
謝らなくても良いのではないでしょうか。「実質的に勝利を勝ち取った」と双方が言って、収まるというのが一つの落としどころなのかなと思います。

その際にイスラエルが何と言うかというのは、ジョーカーとしてはあります。体制交代をしたかったのだと思いますが、今回は無理かもしれないと思っているかもしれませんし、トランプ大統領のことは尊重しないといけない立場だと思います。

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<プロフィール>
真山仁さん
小説家 著書に能登地震がテーマの「ここにいるよ」
最新作は「チップス ハゲタカ6」