違日常と乖離した”匂い”
『潮の匂いは世界の終わりを連れてきた。僕の故郷はあの日波にさらわれて、今はもうかつての面影をなくしてしまった。』(「潮の匂いは。」より)
宮城県東松島市出身の片平侑佳さん(31)。
<片平侑佳さん>※自宅跡地 宮城県東松島市野蒜地区
「この辺かな」
Q. ご自宅があった場所ですか?
「はい。今はゴルフ場になっていますね」
当時高校1年生だった片平さんは、海岸から1キロほどの自宅で被災しました。
15年前の3月11日。東松島市には10メートルを超える津波が襲来しました。片平さんは家にいた家族と2階に避難したものの、外はベランダの際まで水位が上昇。流された車やガスの吹き出したプロパンガスなどが水の上を転がっていったといいます。
<片平侑佳さん>
「家の中が足元からくる津波の匂いと一緒にガスの匂いがぶわーっとしてきて。日常生活を営んでいくうえで家の中にないはずの匂いじゃないですか。この違和感」
死を覚悟しながらも九死に一生を得た片平さん。ただ市内では全市民の約3%にあたる1100人以上が亡くなりました。














