「"頑張れ"は何よりも重い」
「2011年の漢字、今筆が入りました」
震災後は「絆」や「がんばろう」という言葉が世の中にあふれ、静岡県からも被災地へ多くのメッセージが送られました。
ところが、被災がれきの受け入れとなると事情は変わりました。
<住民>※2012年 静岡県内
「ゴミより人の命じゃないの?」
「私たち親は命がけで子どもたちを守る覚悟です」
ゴミと呼ばれた被災がれきは、かつては人の生活の一部だったもの。
その受け入れをめぐって全国各地で反対運動が起き、静岡県も例外ではありませんでした。
『"絆"と言いながら、見えない恐怖を僕たちだけで処理するように、遠まわしに言う。"未来"は僕たちには程遠く、"頑張れ"は何よりも重い。』(「潮の匂いは。」より)
片平さんの詩を見た文芸部の顧問からは「むつけてるね」と一言。「むつける」は不機嫌な様子やすねている状態を指す方言です。
誰にぶつけたらいいかわからない怒りを誰かに知ってほしい。詩は落としどころのない感情から生まれたのです。
片平さんの詩は全国大会で入選。ただ、最優秀賞に選ばれた震災詩の内容に割り切れない感情を抱いた。
<片平侑佳さん>
「(最優秀賞の詩は)『被災したけれどこれからは明るく生きていくことが生き残った私たちの使命だ』というような詩だったんです。私、そこまで明るくなれなかった。伝わらないんだと思ったんです。人が死んでて悔しくて悲しくて怒っているのに、それ言っても伝わらないんだと思って。『もういいや』って思って」
賞をとるために書いたものではない。その詩を書いた生徒や評価をした先生たちが悪いわけでもない。でも、伝わらない。そう思って一時期は口を閉ざしてきました。














