佐藤早也伽(31、積水化学)が昨年に続いて名古屋ウィメンズマラソン(バンテリンドームナゴヤ発着)で2位(2時間21分56秒)に入った。レース終盤では優勝したS.チェプキルイ(35、ケニア)と壮絶なデッドヒートを展開。2秒差の2位ではあったが、MGCシリーズ2025-26のシリーズチャンピオンを決め、本人が辞退しない限り今年9月開催の名古屋アジア大会代表にも選ばれる。だが佐藤は大会前の取材では、国際大会などを強く目指す気持ちがないことを明かしていた。代表を目指さない選手が、世界トップ選手を相手にこれほどの戦いができたのはなぜなのか。
“粘り”が特徴の佐藤に“勝ち”への執念
40kmからチェプキルイと佐藤の壮絶なデッドヒートが続いていた。佐藤が前に出たシーンもあったし、振り切られそうになっても踏ん張った。勝つことはできなかったが、外国勢に敗れた中では名古屋ウィメンズマラソン史上最小差の戦いをやってのけた。
昨年は35km付近からチェプキルイに先行され、付いて行くことができなかったが、2時間20分59秒と2年半ぶりに自己記録を更新した。今回は強風のため記録的には厳しかったが、35kmを過ぎてもチェプキルイとA.デスタ(22、エチオピア)、2時間17分台の自己記録を持つ2選手に加世田梨花(27、ダイハツ)とともに戦いを挑み続けた。
加世田は39km過ぎに、デスタも40km手前で後れたが、佐藤は前回100m以上の差を付けられた相手に一歩も引かなかった。フィニッシュ直後の場内インタビューでは、「もしかしたら勝てるかな、という思いがありました。勝ちたい気持ちがありました」と感極まった声で話した。佐藤の特徴は苦しくなってからも粘る走りだが、今大会の佐藤には粘り以上の何かが感じられた。積水化学の野口英盛監督はレース翌日に、佐藤の走りを次のように振り返った。
「粘っても離されることはあって、それが昨年の走りだったと思うんです。チェプキルイ選手が『速かった』と言っていましたから、その時点で自己記録を目指すことしかできなかったのでしょう。今年は30~35kmはペースが上がりましたが、40kmまでは向かい風があってペースが上がりませんでした。徐々に残り距離が少なくなって、勝ちたい気持ちが強くなっていった気がします」
ラスト2.195kmをチェプキルイが6分56秒、佐藤は6分58秒で走りきった。日本選手が6分台を出したのは初めて、という指摘も出ている。5kmに換算すると15分52秒。終盤でこのスピードが出せたことは佐藤の成長を物語っている。

















