■“ゆるい職場”が逆に不満も

でも、「ゆるすぎる」「やさしすぎる」職場環境が、逆に若手社員の不満を招くことも・・・

実は、会社が「ゆるい」と感じている若手社員の半数以上が3年以内での「退社」をイメージしていることも明らかになったんです。なぜ「ゆるさ」が退職を考えることにつながっているのでしょうか。これについても聞いてみました。

入社1年目清掃業
「そのゆるいのに慣れちゃって、なんか刺激がないというか」

入社1年目飲食業
「ゆるくて他の人で代えがきくなって思うと辞めたくなる。私じゃなくて良いなってなると、あぁもういっかって」

入社2年目事務系 
「やりがいみたいなのが、ある程度あって欲しい」

20代IT関係
「将来出世できるのかっていう不安がありますね。簡単な仕事ばかりしてて、正直やる気というものが続かない。将来的なことも考えて、自分のためになるかどうかっていうのを考えますと、ちょっと辞めたいなと思ってます」

入社1年目清掃業
「何かもっと、自分で頑張れば何か成長できる場所、もっと厳しく叱られる環境であったりとかも、やっぱ経験しないと駄目なのではないかと思ってます」

20代メーカー勤務
「厳しい環境に身を置いてこそ鍛えられるという一面もあるかなと思うので。自分のスキルを身につけないと、結構年取ったときに悲惨なことになるんじゃないかというふうに考える人は、私も含めて多いと思う」

「ゆるい職場」から「やりがい」や「自分の成長」を求めて転職したい・・・そんな声が数多く聞かれました。

■目指すキャリアに合わせ学べる企業内大学・・・損保ジャパン

このような意識の高い社員にどう長く働いてもらうか。いま、若手社員の積極的な成長を促す企業も登場しています。

損保ジャパン株式会社人事部人材開発グループ 内田紘隆さん
「Z世代は個性であったりとか、自分らしさを非常に大切にしていると感じています。それが自己実現や自己成長というところの意欲の高さに繋がっているので、キャリアアップに対しても高い意欲を持っていると感じています」

損害保険会社の損保ジャパンでは、オンラインで保険の業務だけでなく経営やマネジメントなど、自分の将来目指すキャリアに合わせて学ぶことができる「企業内大学」を開設。入社2年目から4年目の、いわゆるZ世代社員に向けた研修制度を導入しています。

番組が取材した日に企業内大学を受講していたのは、保険金の支払い業務をしている入社4年目の女性社員です。どうして受講しているのか話を聞いてみると。

入社4年目 保険金サービス部門社員
「保険の知識だけじゃなくて、その人と関わる為に何が必要かとか、ITのスキルとかも必要になってきて、それがなんにでも生きてくると思うので、いろんな知識を取り入れたいと思いました」

年次が上がり、後輩たちのサポート役なども任されるようになったというこの女性は、将来管理職になることを目標に、いま「ビジネスコーチング」を学んでいるといいます。

入社4年目 保険金サービス部門社員
「今後、もっと自分の知識をつけてスキルが上がってきたら、人を引っ張っていくような人になりたいなとは思いますね」

社員の「今」と同時に「未来」もバックアップ。会社は働く場から、学ぶ場へと変化していきそうです。

(まるっと!サタデー 2022年12月24日放送より)