■コロナ禍で深まる“若い女性”の孤独 求めるSNSでのつながり

NPO法人BONDプロジェクト 橘ジュン代表「こんばんは、何しているのかなって」
女性「TikTok見てた」
渋谷で若い女性たちに声をかけるのは、夜の街でパトロールを続けている支援団体。

BONDプロジェクト 橘代表
「困っていたり、悩みを抱えていても誰かに相談できない状況の子もいると思うので、気になる子がいたら声をかけてお話を聞いて」
更に今取り組んでいるのがSNSパトロールだ。

BONDプロジェクト 井上あかりさん
「『死にたい』とか『辛い』と投稿している子にこういう窓口もあるよって」
投稿者に安全な相談窓口を紹介し、月200件ほど個別のLINE相談に繋げている。
2021年の自殺者のうち、女性は7068人で2年連続増加。特に20代が増えている。

2022年9月、SNSで知り合った女子中学生を車で神奈川県内の橋まで連れて行き、自殺を手助けしたなどとして無職の男(29)が起訴された。
支援団体の相談者の中にも、“SNSの危うさ”を感じた人がいる。

10代の相談者「TikTokでフォローしていたら喋れる。はじめは共感していたけど『好き?』『家来る?』とか言われた」
親から虐待を受けてきた10代の女性。学校でもいじめに遭い、死のうとしたこともある。

BONDプロジェクト 井上さん「結構、明るく振舞っちゃうよね?」
10代の相談者「笑っていないからいじめられると言われまくっていたから。やたら笑う、笑ってごまかす」
本当の気持ちを吐き出すのはSNS。多少危うさを感じても繋がりたい。
10代の相談者「“病みアカウント”でつながりが多くなった。同じ境遇の人とつながれる」
別の10代の女性もSNSに共感を求める。

10代の相談者「みんな『いいね』してくれる。自分のことを見てくれているんだなって。嬉しい。親って見ないから、人のこと。ネットの子は見てくれるから」
コロナ禍で孤立が深まったという人も多い。

20代女性「死にたいし消えたいけど誰かに話せるわけでもない。コロナで地元から出られなくてしんどくて息抜きできなくて。オーバードーズ(薬の過剰摂取)して救急搬送されて」
女性は適応障害になった。でも…
20代女性「インスタグラムで“闘病アカウント”を始めて。そこで仲良くなった方もいっぱいて。1人はリアルで友達になった」
SNSで繋がった友達や、支援団体のスタッフとの交流が心の支えになっている。

20代女性「こんな私でも素敵だとか助けられているよって言ってくれる人たちがいることが、私の今の拠り所」
■コロナ禍3年目 「食料配布を頼る人」「居酒屋」は…
池袋で行われた、NPO法人TENOHASIの週1回の食料配布。拠り所を求める人たちはここにも…

30代男性「寒いじゃないですか、今。本当につらい状況なのでこういう支援の輪があるってのはありがたい。心が温まる」
新橋では…
40代男性「外に飲みに行くことは減りましたね。たまには行きますけど、もう常連さんも全然少なくなっちゃいましたし。行きつけも何軒かあったんですけど、廃業になったところもありますからね」
居酒屋店員「思ったよりも人が戻ってきていない。店に入ってこないのもある」