「日本外し」という名の国家戦略
この船の拠点は上海。所有する中国の運航会社が打ち出した寄港地の“日本外し”は、船の建造同様、トップ=習主席の意向に沿った決定です。さきほども説明したように、2024年1月が初航海ですが、そのときさっそく博多港にやってきました。その年は博多来港が45回、翌2025年は53回を数え、多い時は同じ週に複数回やってきました。
それが、高市発言後、入港キャンセルが相次ぎ、最後に寄港したのは昨年12月15日。そして、春節の大型連休を前に、中国外務省は中国国民に対して、改めてこう呼びかけました。
「日本では社会不安が高まり、中国人を標的とした犯罪が急増している」
しかし、その主張は事実と異なります。実際には日本国内で中国人が被害に遭った凶悪犯罪件数は近年、減少傾向にあります。当然、日本政府は「そうじゃない」と反論しています。
中国が言う「社会不安」の一つに、日本で頻発した地震も理由に挙げていました。中国側の言い分はともかく、航空機の何十倍の客を一度に運ぶクリーズ船の方がある意味、見た目にインパクトは大きい、日本へ与えようとするダメージが大なのかもしれません。
さらに数字を挙げます。昨年2025年1年間の訪日中国人客は909万人。前年比3割増でしたが、12月に限ると、前年同月に比べ45%に急減しました。また日本百貨店協会によると、昨年12月の全国百貨店の中国人客数と売上高は前年同月比でいずれも4割減りました。














