「なぜ自分だけが苦しんでいるのか」 広がる“抵抗疲れ”

軍の非道な弾圧に耐えかね、多くの若者たちが武器を取り、武装闘争に身を投じました。各地の少数民族武装組織とも共闘し、全土で内戦状態に。
軍は抵抗勢力の支配地域に空爆攻撃を繰り返し、民間人の犠牲者は、少なくとも7700人にのぼります。
経済の混乱や避難民の急増で、人道危機は深刻化。国連は、ミャンマーで2026年、1200万人以上が飢餓に直面すると警告しました。
最大都市ヤンゴンでは…

記者
「住宅街の一角にはお寺があるんですけれども、その周りに多くの住民が集まっていまして、食料の寄付などを受けています」
このような光景は、各地で見られるようになりました。

食料寄付を受けた住民
「もう何日もご飯を炊けていない。だからこうして助けを求めに来た。こうやって何とか生き延びる方法を探しているんです」
情勢が悪化の一途を辿る中、軍は「民政復帰」を掲げて総選挙を強行しました。自らの支配の正当性を内外に示すためです。

投票は戦闘地域を除いた都市部を中心に行われ、軍とつながりの深い政党が8割の議席を獲得。4月にも新たな政権が発足する見通しです。
軍の拷問を受けたティンさんは、当局に行動を監視されながらも、民主化を求める活動を続けています。

軍に拘束されたティンさん(仮名)
「国際社会を欺き、平和という虚像をつくり出すための総選挙を絶対に認めない。私はこの国で何が起きているのかを世界に知ってもらいたい」
一方、現地で取材していると、人々の抵抗心に疲れも見え始めていました。
クーデター後は、多くの公務員や医療従事者が職場を放棄する抗議運動に参加しましたが、生活が困窮している人も少なくありません。
公立学校の教員だった女性は現在、民主派組織が運営する学校で働いていますが、このままの生活を続けるのは難しいと感じています。

公立学校の元教員
「教師のわずかな収入と菓子売りの仕事でなんとか生計を立てていますが、家族の生活は綱渡りのようで、もう限界に来ているかもしれない」

こうした“抵抗疲れ”は、ジャングルに潜り、命がけで戦う若者たちにも広がっています。
民主派武装勢力のメンバーだったテレサさん(仮名)は、健康問題を理由に隣国のタイに逃れました。彼らの心から民主化の火が消えたわけではありませんが、現実は思うようにいきません。
民主派武装勢力の元メンバー テレサさん(仮名)
「都市部で人々が普通に暮らしているのをみると、『なぜ自分だけが苦しんでいるのか』とため息が出てしまう。健康問題や生活苦で支援が必要になり、闘いから身を引いてしまう人も多い」
軍が実権を握ったまま、形だけの選挙で統治は既成事実化されてしまうのか。ミャンマーをめぐる情勢は、大きな岐路にさしかかっています。

民主派武装勢力の元メンバー テレサさん(仮名)
「本当に苦しい状況です。しかし今、闘いをやめてしまえば、私たちが5年かけて闘ってきたことはすべて無駄になってしまう。国民は今、極限まで追い詰められています」














