「旧姓の通称使用」法律化された場合の効果と課題
高柳キャスター:
「慎重・反対派」の意見には、▽旧姓の通称使用拡大で不便さは解消とありますが、どういうことなのでしょうか。

現在、住民票やマイナンバーカード、運転免許証など公的な証明書で、旧姓の併記ができるようになってきました。
一方で、法的な根拠がなかったため、銀行口座の開設や保険契約などの際に、通称使用ができるかは事業者側に委ねられていました。
そんな中、高市総理は2026年の通常国会で「“旧姓の通称使用”に法的根拠を持たせる法案」を提出する方向で検討しているということです。
2025年3月には、高市総理自身のYouTubeチャンネルで、▼住民票への「旧姓の記載・記録」を法律で定める。▼国・自治体・企業などが必要な措置を講ずる責務を持つということを発言しています。

「旧姓の通称使用」が法律で定められることで、▼通称使用が可能な範囲が広がる、▼「同一戸籍・同一氏」を維持する効果がある。したがって、不便さを解消しつつ伝統的家族観を重視する立場も納得するのではないかという意見があります。

永橋 記者:
「旧姓の通称使用」が法制化されることでの課題もあります。
▼法的な姓が2つになる
→証券会社や金融企業などの経済界からは、姓2つを使い分けてマネーロンダリングや脱税といった不正のリスクを懸念する声があります。
また、企業・自治体が氏名を二重管理する負担も考えられます。
▼「改姓したくない」という人の意見には全く向き合っていない
→旧姓使用が通ることで、今後、選択的夫婦別姓の議論が進まないのではと当事者から心配の声も上がっています。
▼国際的に通用するか不透明
井上キャスター:
選択的夫婦別姓に反対の方からすると、「テレビ出演者全員が賛成ではないか」「偏っているのではないか」と思われるかもしれません。
全員からOKが出るのは難しいですが、議論を進めて、早く結論を出していただきたいとは思います。
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<プロフィール>
永橋風香
TBS報道局社会部 法務省・裁判担当
ジェンダーや家族のあり方を取材
斎藤幸平さん
東京大学 准教授
専門は経済思想・社会思想
著書『人新世の「資本論」』50万部突破

















