死刑と“紙一重” 無期懲役囚はおよそ1700人

死刑を免れた“無期懲役囚”は今どのように過ごしているのだろうか。
岡山刑務所。受刑者450人の半数が無期懲役囚。彼らは“生命犯”、つまり人の命を奪い服役している。死刑と紙一重だった。
全員が初犯、最高齢は93歳だ。全国の無期懲役囚はおよそ1700人。終身刑化が著しく、服役年数は平均で38年を超えている。
70代後半の受刑者(殺人・無期[1審死刑]・服役40年)
「(1審での死刑から無期懲役に)今まで死刑と言われてたじゃないですか、今度無期って言われて。一晩寝ていやあれは間違いだと言われたら、えらかったですね。完全に確定するまではね。やっぱり生きていいよと言われたら人間、欲は出ますからね」
凄惨な少年事件の無期懲役囚も収容されている。
被害者2人、彼は1審死刑だった。
50代後半の受刑者(殺人・無期[1審死刑]・服役30年)
「(Q.同じ境遇の人が集まってるから安堵感はあるか?)そうですね。ひとりではないですからね、それは大きいと思います。仮にひとりで無期懲役勤めてたら、かなりきついと思いますね」

50代後半の受刑者(服役30年)
「(服の刺繍を指さす)赤が10年です。黒が1年です」
記者
「22年、規律違反がないということですか」
50代後半の受刑者(服役30年)
「はい」
号令でしか時間を把握できない塀の中で、“時計”を持つ事が許されていた。治安維持の為の“飴と鞭”だ。彼は死刑をどうみているのだろうか。

50代後半の受刑者(服役30年)
「自分の立場で言いにくいんですけど、自分が見てきた中では死刑はやっぱり反対ですね。罪を犯した人にも生きるチャンスを与えたうえで、償いはできませんけど、償いにつながる努力はさせるべき」
6時起床、9時就寝。毎日30分の運動。栄養も管理された生活で肥満の受刑者は見当たらない。
年に1度の運動会が迫っていた。工場対抗なので負けられない。練習に熱が入る。

40代後半の受刑者(強盗殺人・無期・服役25年)
「(Q.何年?)25年目になります。(Q.罪名は?)強盗殺人です」
「(Q.みんな運動会を楽しみにしてます?)みんな楽しみにしてると思います」
「(Q.これは運動会用に買ったんですか?)運動会に合わせて買ったばっかり」
60代の受刑者(強盗殺人・無期・服役24年)
「(Q.死刑執行のニュースを見ててどう思うか)命だけいただいた分、有難いなという気はしますけど。こんだけ長かったら先も見えないし、死刑で良かったということはないですけど」
舎房から受刑者が出て来る。運動会が始まる。

40代の受刑者(強盗殺人・無期・服役18年)
「(Q.鍛えてるんですか身体?)毎日、この日のために」
「(Q.10年前も走りました?)走りました」
40代の受刑者(刑期28年・服役12年)
「(Q.みんな運動会楽しみにしてます?)そうですね。娯楽とかないので盛り上がれることがない、大声出せることもない」
受刑者である事を忘れたかのようだ。仮設のトイレは受刑者の手作りだ。
50代後半の受刑者(強盗殺人・無期・服役15年)
「(Q.今日銀シャリだそうですね)そうなんです。1年に1回のお弁当なので、本当に楽しみです。輝いて見えますね」

弁当は全て白米だ。(普段は米7:麦3の割合)
50代後半の受刑者(服役15年)
「紙一重だった部分もあるので、死刑と無期の。それを思えば、生きて出るのが使命かなと思いますし。死刑になった方が楽やっていう人も何人かいますけど」
一度は死刑を覚悟した男達の“生への執念”が弾ける。工場担当の刑務官も勝敗が気になる。
刑務官
「犯罪が大きいか小さいかで私たちは仕事してません。誰が有名人でああだこうだっていうのは別に意識しません」
運動会の賞品はちり紙や石けんなどの日用品だ。














