執行に関する情報が“闇の中”ともいわれる「死刑」、そして「無期懲役」。およそ1700人いる無期懲役囚は死刑について、どう見ているのだろうか。
元執行官が短歌で詠んだ“死刑執行”

1冊の短歌集がある。死刑執行に立ち会った執行官が緊迫した“刑場”の様子を詠んでいる。
元執行官が詠んだ短歌
「朝寒の ともしび揺れる刑場に 神の子として死刑囚ありき」
ある朝、身代金目的で児童を誘拐・殺害した死刑囚を独房から連行した。
元執行官
「『迎えの日が来たようだよ。とりあえず神父さんが向こうでお待ちだから、神父さんのもとに行こう』という感じで連行した。取り乱すでもなく顔が紅潮している印象は、いまだに残っています」
刑場に死刑囚と神父の賛美歌が響いた。
元執行官
「神父さんに導かれて穏やかに歌っていた」
死刑囚にたばことお茶、最中を勧めた。
元執行官
「味わってうまそうに食べてましたよ。『私は死刑執行の“最中(さいちゅう)”というわけですか』みたいなことを言ったんですね。最中(もなか)という包み紙の字を見て」

元執行官が詠んだ短歌
「頭巾して 太き縄ひも首にうけ 刑徒は小さき歩で進みたり」
そして踏み板が開いた。

元執行官
「死刑の、下の床が落ちていく、まさに落ちる瞬間から『お世話になりました』という声を発した。私から見ると模範的な死刑囚という感じだった」
執行官は今も死刑囚を供養する短歌を作り続けている。














