「外国人の不動産取得」政府は具体策見送り
高柳キャスター:
そして、「外国人政策」の中でも特に注目されているのが、土地や建物など「外国人の不動産取得」についてです。

TBS報道局 政治部 原田記者:
政府は、具体的な施策の打ち出し自体は、1月23日の策定の中では見送ったという状況になります。
実は、国交省の最新の調査では、東京23区の新築マンションでみると、国外からの取得率は全体の3.5%と、比較的低い数値になっています。
ただ、これは「所有者の欄に記載された住所が国外」の割合が3.5%ということで、例えば、日本にいる外国人の購入の実態は含まれておらず、正確な把握がまだ追いついていないという状況です。
政府は今後、新たな不動産登記などの際に、所有者の国籍の登録を義務付ける方針です。
外国人政策の全体で言えることですが、「何がわかっていて、何がわかっていないのか」ということを政府も整理をしながら、具体的な政策を打ち出していこうと検討している状況です。
日比麻音子キャスター:
外国人労働者の人数が右肩上がりに増えていった中で、ここまで懸念や課題が膨れ上がる前に、その都度、ルールや制度作りがなぜできなかったのかと疑問に思ってしまいます。
堤伸輔さん:
外国人が最初に日本に入り始めたのは、1990年前後からです。当時、日本で労働者不足が起こり始めたので、ブラジルにいた日系の人たちを連れてきて、そこからだんだん「外国人労働者」という形で入れ始め、今は「技能実習生」、そして「特定技能」という形になっています。
「技能実習」が、もうすぐ「育成就労」という形に制度的には変わっていきますが、それを貫く根本となる「定住」までもっていくのか、いかないのか。そうした議論が、諸外国と比べて、日本はずいぶんおっかなびっくりやってきた。
逆に今、日本人で海外に住んでいる日系人は、どのくらいいると思いますか。
南波雅俊キャスター:
相当な数はいるとは思いますけど、日本に来ている外国人の数よりも多いですか?
堤伸輔さん:
約257万人というのは、日系人なので労働者という枠とは少し違いますが、3年前に外務省領事局が調べたところ、明治以来、約500万人の日系人が海外に住んでいます。
既に亡くなった方もいるので、おそらく約500万人よりはるかに多い人たちが日本から海外に出ていった。
今、日本に来て働いている人は、約500万人の半分しかいないわけです。
自分たちは働き口を求めて海外などに出て行った。ある意味、外国のお世話になってきたわけですが、逆に「日本に入る人はとにかく止めよう」というのは、やはり日本の国の品格に関わると私には思えます。
日比キャスター:
「労働力だから」とかそういう問題ではなく、どんな人であっても人権を守るのは当然のことですよね。
どんな人でも平等に互いを大切にし、尊重し合う。そして、安心できる生活を作るためのルール作りをどうしていくのかというところになるわけです。私たちの意思表示ができる機会である選挙で、しっかりと考えていきたいところです。
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<プロフィール>
原田真衣
TBS報道局 政治部
宮城・石巻出身
社会部や人事部を経験
堤伸輔さん
国際情報誌「フォーサイト」元編集長
BSーTBS「報道1930」ニュース解説

















