■東京町田・小6女児いじめ自殺 

東京都町田市立の小学校に通っていた6年生の女子児童が2020年11月、「いじめを受けていた」などとする遺書を残し、自殺していたことが分かった。女児の学校では、子どもたちに一人一台の端末を配布する国の「GIGAスクール構想」に先立ち、タブレット端末が配備されていた。


(亡くなった女児)

いじめにはタブレット端末のチャット機能が使われた。遺族らが実施した同級生らへの聞き取り調査でも、チャット機能で「うざい」「きもい」「死んで」などと書き込まれていた、との証言があったという。女児の両親も、タブレット端末について「いじめの温床に大きくつながっているというふうに考えています」と会見で述べている。

学校によるタブレット端末の使用についての指導は不十分だった。チャット機能を使う際の個人のIDが類推しやすく、パスワードが全員共通の「123456789」だったことで、他人になりすまして端末を悪用することが可能になった。萩生田文科相も、運用を巡る「不適切と言わざるを得ない」点があったという。それでも一部のメディアが強調しているように、女児の自殺は「GIGAスクール構想」やタブレット端末、または共通パスワード「123456789」のせいだったのだろうか?違和感を覚える。

(9月13日に記者会見した女児の両親)

確かにタブレット端末の使用を巡る問題は、女児自殺の最後の引き金になったのかもしれない。だが、そのせいだけにすることは到底できない。遺族らによる聞き取り調査では、女児に対し、小学4年生のころから悪口を言うなどのいじめがあったともいう。また亡くなる2か月前の「心のアンケート」でも、学校側はいじめの兆候を把握していた。しかし学校側は「トラブルは自殺の2か月前には解決していた」などと説明しているという。

果たして学校は、適切に対応できていたのか?まだ分からないことも多いが、タブレット端末を介したいじめの前に何が起こっていたのか?時間軸を長く設定して広い視野に立った調査が必要だ。いずれにしても今回、またしても学校は、いじめの芽の重大事態への深刻化を防げず、最悪の結末を迎えてしまった。


(会見場に置かれた女児の写真)