高市総理が衆議院の解散を検討しているという報道が各メディアを駆け巡り、維新の会の吉村代表も「通常国会の早期において解散する」との伝達を高市総理から受けたと明かしました。19日(月)には総理自身が会見で考え方を述べる予定とのことです。

なぜこのタイミングでの解散なのか。総理大臣の「専権事項」とされる解散権の行使は適切なのか。物価高対策や景気の下支えが最優先と語っていた総理の方針との整合性は取れるのか。日本の政治が直面する本当の課題とは何なのか。こうした論点を、早稲田大学教授で政治学者の高安健将さんとTBS報道局の岩田夏弥政治部長と掘り下げました。

(TBSラジオ『荻上チキ・Session』2026年1月14日放送「急転直下の衆議院解散報道。報道の背景と総理の権力、今後の論点とは」より)

解散報道の経緯と背景

解散報道は1月上旬に始まりました。岩田部長によれば、「選挙は準備に1か月くらいの時間がかかる。2月8日選挙を実現するためには1月には総務省が準備を始めなければならない。そのタイミングで情報が一部に流れ、総務省が全国に準備を促す文書を送った」といいます。

読売新聞の報道を皮切りに各社が追随しましたが、高市総理自身はこれまで明言を避けてきました。その間、「総理自身がごく数人で話をしていて、自民党幹部ですらちゃんと伝わるのが遅かった」(岩田部長)という状況が続いていました。

早稲田大学の高安教授は、今回の解散検討について「組織として検討したというよりもかなりパーソナルな決断だった」と分析します。「12月にしないということを、説得力のある理由をつけて話していたのに、急転直下。そのパーソナル感が余計際立った」と指摘しました。

解散の理由は「自民維新政権の枠組み」

会談後、維新の吉村代表は「通常国会の早期において解散する」との伝達を受けたことを明らかにしました。解散の理由は、「自民党と公明党が与党だった連立の枠組みが自民党と日本維新の会に変わり、まだ国民の審判を仰いでいない」(岩田部長)という点です。新しい政権の枠組みで国民の信任を問うというわけです。

しかし高安教授はこの理由に疑問を呈します。「説明になっていない。新しい政権構成が変わったので解散するというのは一つの理由ではあるが、なぜ政権の構成が変わったのかは自民党の中の都合で変わったこと。新しい政権の構成は自民と維新だが、何かパッケージが出てきているわけでもない」と指摘します。

さらに「大阪など競合する選挙区の有権者はどこに投票したらいいのか。考え抜かれた提案という感じが全くしない。取ってつけた感がある」と批判しました。