足のケガと戦いながらも世界大会3年連続の入賞 失敗から学ぶ走高跳の流儀

23年の世界陸上で8位入賞、パリ五輪では自己ベストとなる2m31を跳んで88年ぶりの5位入賞を果たし、昨年9月の東京世界陸上でも8位と、3大会連続で好成績を残した赤松だが、いずれも万全な状態で臨めていたわけではない。23年の世界陸上前に左足小指を痛め、24年3月には左足小指にボルトを入れる手術、そして世界陸上を終えた11月にもう1度左足の手術を行った。選手生命を左右するかもしれない過酷な手術の話も、赤松は驚くほど爽やかな笑顔で語る。

赤松:今回は骨移植で、腰から成長しやすい骨を削ってきて(左足の小指に)移植しました。成長しやすいので、骨の治りが良くなるというか。上からステープラー(医療用ホチキス)のようなものでパチっと止めて、そういう手術をしていただきました。

踏み切る足の最後の1歩にかかる負荷は赤松の場合約700キロ。練習で1回ごとにその負荷がかかれば、再びケガのリスクが高まる。だから、赤松は、他の選手が行うような跳躍練習は出来ない。失敗から得られたことをもとに、限られた練習の中で工夫を凝らす。ここ数年、そのような状態でも抜群の安定感を見せている事は驚きだ。

パリ五輪

赤松:走高跳はクリアして終わる選手もいますけど、基本的には最後にバーを落として競技終了になります。優勝したとしても最後は落とすんです。なので、次への課題や目指すところが見えた状態で試合を終えるので、「次はこの高さを絶対跳んでやる」という思いが、その失敗によって強くなっているのかなと。もちろん「跳べなかった」という悔しさはありますけど、今回跳べなかった高さにどうやってアプローチしていこうかと考えるのが楽しかったりする種目になっているので、考える過程が楽しいかもしれないです。