「このままでは自分が壊れる」23歳で都会を逃れ八ヶ岳へ

強風に飛ばされそうになりながら、30kgを超える荷物を背負い山荘に向かう男性、佐藤誉起(さとうやすき)さん(28)。小屋番として働き今年で6年目になる。

都内の大学卒業後、都会で就職したものの、厳しいノルマと人間関係に悩む日々が続いた。「このままでは自分が壊れる」と思い、大学時代に夢中になった山に逃げ場を求めた。小屋番となることに父親は賛成したものの、母親は涙を流しながら反対した。それでも佐藤さんは山に向かった。「小屋番」を目指す佐藤さんの決意は揺るがなかった。

胸の高さまで積もった雪を掻き分け運ぶ冬の歩荷(ぼっか)

小屋番・佐藤誉起さん(28)

山荘で必要な食材や生活物資、燃料などを背中に背負い、山の麓から運ぶ歩荷(ぼっか)という作業。ベテランの小屋番でさえ「一番大変」と口にする冬山の歩荷にも、逃げずに向き合ってきた。

胸の高さまで積もった雪を掻き分け、食材や生活物資、燃料など、山小屋での生活を支える様々なものを背負い、麓から山荘へと一歩一歩登っていく。
大きな荷物はヘリコプターで運ぶこともあるが、空輸代が毎年5%程度値上がりする厳しい環境の中、日々の小屋の運営に必要な物資は人力で上げるしかない。

佐藤さんは、最初は「自分のために」小屋番という道を選んだが、今は「登ってくるお客さんのために」、「人のために」働いているのが楽しいという。