悔しさを晴らす全日本、そして2度目の箱根へー
11月の全日本大学駅伝では、4区を任された。1位でタスキを受け取ると、序盤から自分のペースで快調に飛ばし、区間1位。区間新記録も打ち立てた。全日本の後のインタビューでは「自分の中では会心の出来だった」と語ってくれた黒田選手。続く言葉は、驚きのものだった。
(黒田朝日選手)
「箱根は(距離が)大体倍ぐらいにはなるんですけど、全日本と同じくらいのペースで箱根も押していくことができるんじゃないかと思います」
全日本の4区は11.8キロ。一方、箱根駅伝で2区を走ると仮定すると、区間距離は23.1キロと2倍弱。黒田選手は全日本を33分03秒で走ったわけだから、単純計算で少なくとも1時間5分台は確実ということになる。
黒田選手の2年時の記録「1時間6分7秒」はもちろん、この時2区の区間記録だった「1時間5分49秒」の更新も視野には入ってくる。当然、このように聞いてみた。
(記者)
「区間記録への思いはやっぱりありますか?」
(黒田朝日選手)
「出せればラッキーぐらいですかね。結局走っているときにタイムがわからないんで」
(記者)
「腕時計をしないから?」
(黒田朝日選手)
「そのときの自分の100%・120%を出すしか僕にはわからないんで…」
この頃の黒田選手も、「区間賞」や「区間記録更新」など個人の具体的な目標をはっきり表現するタイプではなかったように思う。しかし、まさに「有言実行」の走りを箱根で魅せた。














