世界陸上の経験を生かし「駅伝の近藤」を見せる

東京2025世界陸上男子マラソン決勝


12月7日の甲佐10マイル(約16km)は49分49秒で73位、チーム内トップ(14位)の守屋和希(24)にも3分以上差をつけられてしまった。「最初の1~2kmを(1kmあたり)2分41~42秒と、外国人選手たちにつられて突っ込みすぎてしまい、6kmくらいから大きく後れ始めました」。速いスピードに力が入ってしまい、悪いときの近藤が顕著に出てしまった。

しかし大阪マラソン後は、以前よりもリラックスした走りができるようになっている。6月のNITTAIDAI Challenge Games5000mでは13分46秒59と、世界陸上に向けてマラソンを意識している中でも自己記録に約4秒と迫った。近藤にとってはハイペースだったが、リラックスした走りができたという。11月の九州実業団駅伝では1区(12.8km)で区間賞を獲得。ペース自体は速くなかったが、苦手だった“順位が求められる短い距離”で結果を残した。

ニューイヤー駅伝の区間は2区と決まったわけではないが、前回の2区は近藤が対応できるペースだった。5km通過は区間賞の池田耀平(27、花王)こそ13分42秒のスピードだったが、他の選手は14分弱である。風向きも4区までは、追い風が予想される。

「追い風なら多少速くなっても心配していません。がむしゃらに走ってのハイペースだと固くなってしまいますが、自分のリズムで入っていけば戦える自信はあります。世界陸上の経験を駅伝に当てはめて戦いたいですね。主要区間なら区間3位以内、それ以外の区間なら区間賞が目標です。マラソンでしか僕のことを見たことがない人がほとんどだと思いますが、“駅伝の近藤”を見せます」。

駅伝で培ったスピードや走りをマラソンにつなげる選手は多いが、近藤の場合はマラソンで学んだ走り方を駅伝につなげることになる。