懸念されるのは「長期金利」上昇による悪循環

そして、今回の物価高については、大きな要因の一つとして円安がありますが、利上げには、その円安を抑える効果も期待されています。
金利が上がれば、資金を円で運用する際の利回りが高くなるので、海外の投資家などが円を買う動きが増えて円の価値が高まる効果があるのです。

今回の利上げについて、元日銀理事・早川英男さんは、「これ以上円安が進むと日本経済がもたない。本来なら早く上げたかったが、トランプ関税の影響や金融緩和の継続を志向すると見られた高市政権の誕生など、不確定要素があり、このタイミングになった」と分析します。
今回、日銀が金融政策として引き上げたのは、短期で動く金利ですが、早川さんは、もう一つの金利、「⻑期金利」の上昇に懸念を示します。

「⻑期金利」は、日銀が直接コントロールできず、債券市場の動きに左右されます。
「10年国債」の信用力が低下して価格が下がると金利が上がる関係にありますが、これが、12月19日、2%を超え、26年ぶりの水準まで上昇したのです。

早川さんは、「市場から日本の財政状況が危ないとみられるほど⻑期金利が上昇し、そうなれば国債の利払いが増え、さらに財政が悪化するという悪循環になりかねない」と指摘しています。














