避難情報に「相当する」情報が覚えにくい
それから、避難情報に対応する防災気象情報の覚えにくさも課題となっていました。気象庁が発表する防災気象情報はそれぞれ、自治体が発表するいずれかの避難情報に「相当する」と紐づけられているのですが、この「相当する」という概念が重要なので、避難情報とその警戒レベルとともに丁寧におさらいしておきましょう。2019年に導入された大雨5段階警戒レベルでは、危険度が低い順から、レベル1が早期注意情報(警報級の可能性)、レベル2が注意報、レベル3が高齢者等避難、レベル4が避難指示、レベル5が緊急安全確保と定められています。

レベル1と2は気象庁が出す情報ですが、レベル3以上は自治体が発表する避難情報です。レベル3の高齢者等避難では、危険な場所にいる高齢者などは避難、レベル4の避難指示では、危険な場所にいる人は全員避難、レベル5の緊急安全確保では、すでに災害が起きているか切迫し、命の危険が迫っているため直ちに身の安全を確保することが求められます。レベル5はいわば「手遅れ」を表す情報のため、レベル4の避難指示までに避難することが必要です。
そして、「相当する」の説明ですが、例えば土砂災害に関する現行の情報では、大雨警報(土砂災害)がレベル3に相当すると位置づけられています。これは、大雨警報(土砂災害)が発表されたら、その自治体は高齢者等避難を出す可能性があるということを意味します(あくまでも目安で、発表されない場合もありますし、大雨警報に先だって高齢者等避難が出される場合もあります)。そしてレベル4の避難指示に相当する情報は、土砂災害警戒情報と定められています。土砂災害警戒情報が出されたら、避難指示が出るかもしれないと身構えることができるため、この「相当する」防災気象情報を知っておくことは防災上重要です。

しかしこの避難指示に相当する情報は、土砂災害警戒情報のほかに氾濫危険情報、高潮警報や高潮特別警報が該当していて、名称の付け方が統一されておらず、非常に覚えにくくなっています。














