おみくじの主役は「大吉」じゃないんです
――多くの人はおみくじを引くと、まず「大吉」や「小吉」といった吉凶に目が行きますが、それがおみくじの醍醐味と考えていいのですか?

成蹊大学文学部 平野多恵教授:いえいえ、そうではありません。古いおみくじを見ていくと、吉凶が前面にバーンと出てくるようになったのは江戸時代からなんですね。もともとは決まった吉凶があるわけではなかったのです。
――え、そうなんですか!
平野:はい。元々、おみくじのメインは神仏からのメッセージである「和歌」や「漢詩」なんです。その内容を、引いた人それぞれが自分の状況に合わせて読み解き、判断するものでした。吉凶を見て一喜一憂して終わり、というのは、実はおみくじの本来のあり方ではないんですよ。














