占い師の女が男性2人を自殺させた罪に問われた裁判。女の弁護人は無罪主張です。

 黒い服を着てメガネをかけマスク姿で法廷にあらわれた女。自殺教唆などの罪に問われている占い師・浜田淑恵被告(63)です。

 起訴状などによりますと浜田被告は5年前、自身を信奉していた寺本浩平さん(当時66)と米田一郎さん(当時51)に対し、自らを「創造主」と名乗ったうえで、そそのかし、和歌山県広川町の海で自殺させた罪に問われています。

 寺本さんらが自殺した際、浜田被告を信奉していた女性も海に入っていて、その後、起訴された女性は自身の裁判で、“浜田被告から指示があった”と証言しました。

 (信奉者の女性)「浜田が神であるということも本当に頭から信じていましたので、どんなむちゃな命令であっても奉仕した」

 12月17日の初公判で浜田被告は起訴内容について問われると…

 (浜田淑恵被告)「宇宙システムプログラムが脳をジャックして、システムを介して創造主が(私の)口と体を使って(犯行を)おこなった」

 弁護側は事実関係を認めたうえで、心神喪失状態で刑事責任能力はないと無罪を主張。さらに浜田被告の精神鑑定を裁判所に求めました。

 一方、検察側は冒頭陳述で「神としての力が宿っていると思いこませて恐怖心を与え、みんなで海に入りましょうとお互いに頭を沈めあうように言った」などと主張しました。

 今回の裁判に被害者参加制度を利用して参加した寺本さんの長男は…

 (寺本さんの長男)「この事件は殺人だと僕は考えています。(浜田被告には)なんで僕の父親を亡きものにしたのか、真実を語ってほしい。うそをつかないでほしい」

 次の裁判は来年2月に行われる予定です。