「観葉植物」「ぬいぐるみ」発達障がいのある受刑者にも配慮

発達障がいがある受刑者専用のフロアでは、受刑者の気持ちを落ち着かせるため、廊下に観葉植物が置かれ、壁に小鳥が描かれたり、ぬいぐるみ部屋が用意されたりするなどさまざまな配慮がなされています。
(西日本成人矯正医療センター 村崎有総務部長)「心理面においてリラックス効果をはかるために植物を置いています。発達に特性を有する人は、光・音・声に過敏に反応する。一人一人の特性に応じた処遇や支援が重要です」
このフロアで生活する30代の男性受刑者。服役は2度目で、今回は傷害と窃盗未遂の罪だといいます。
(30代の男性受刑者)「自分が関心を持ったことについては、すごく集中できますが、関心が持てないことは集中力が無くなってしまう。あとは衝動的な行動を起こしやすい」
刑務所入所後に心理テストなどを受けて、初めて自分に発達障がいがあると気付きました。
(30代の男性受刑者)「今まで生活している中で、少し人と違う部分があったので、外にいたときの疑問が解決できたなって思います」
法務省の調査では、受刑者の約12%に発達障がいやその疑いがあるとされています。そこで大阪刑務所では、西日本成人矯正医療センターの協力のもと、発達障がいがある受刑者だけの支援プログラムを開始。教育・医療・福祉など多くの専門家が加わって、コミュニケーション力や出所後の働く力の向上に取り組んでいます。
面接室では、発達障がいのある20代の男性受刑者が教育専門の職員と向き合っていました。
(教育専門官)「怒りが何も出ないというのは、何か危ないことをするときに、『別にいいんじゃない』と犯罪に走ってしまうとか、そういう危険があるかな」
男性受刑者はこれまで「怒りの感情を感じたことがなかった」と言いますが、職員との面接を通して自分の気持ちの理解が進んできたといいます。
(20代の男性受刑者)「(怒りを感じるのは)めちゃめちゃストレスやと思いますけど、自分の身を守るとか必要なものだと分かってきてはいるので、対処法さえが分かれば知っていた方がいいのかなと」














