授賞式へ命がけの“脱出劇” かつらで変装も
受賞者のベネズエラの野党指導者。マリア・コリナ・マチャド氏(58)が式に間に合わず、半日遅れで姿を見せました。実はベネズエラから命がけで脱出してきたのです。

「平和賞」受賞 マリア・コリナ・マチャド氏(11日・ノルウェー・オスロ)
「命をかけて協力してくれたみなさんのおかげで、きょう私はここに来ることができました。いつか話せる日が来ると思いますが、今は、彼らを危険にさらしたくありません」
マチャド氏は、マドゥロ大統領など、独裁的な政権と20年以上闘ってきました。民主化への努力が今回の受賞理由です。マドゥロ政権にとっては“仇敵”。海外渡航禁止令が出ていた中、どのようにして脱出したのでしょうか。
「平和賞」受賞 マチャド氏(11日・ノルウェー・オスロ)
「アメリカ政府から支援がありました」
マチャド氏の脱出には、トランプ大統領の手助けがあったというのです。

「ウォール・ストリート・ジャーナル」によると潜伏先の首都・カラカス郊外から、かつらで変装し、支援者2人とともに10か所の軍検問所を突破。夜明け前に木造の小型船で出航し、オランダ領のキュラソー島に向かいました。その移動中、アメリカ軍のF18戦闘機がベネズエラ湾上空へ侵入し40分間にわたって旋回したとも報じられています。
マチャド氏は無事にベネズエラを脱出。その後、ノーベル委員会と次のようなやりとりがありました。
【マチャド氏とノーベル委員会との電話】
――マリア・コリナさん?
「はい、私です」
――あなたが無事でとてもうれしい
「私もです。すごく残念で申し訳ないのですが、式典に間に合いません。でも今オスロに向かっています」

キュラソー島からトランプ政権が用意したビジネスジェットでアメリカを経由し、2日がかりで、オスロへ到着しました。
「平和賞」受賞 マチャド氏
「私たちは最後まで戦う決意があります。ベネズエラは自由になります。必ず実現させます。自由なくして民主主義はあり得ません」














