「交通安全に終わりはない」

遺族会は、事故に繋がる過失を未然に防ぐことを活動の基本骨子とした。再発防止に向けて、国土交通省との意見交換を現在までに15回、警察庁との免許制度の見直しに関する意見交換を5回から6回実施している。

これらの活動もあって、道路運送法が改正され、違反をした場合の厳罰化や、適正化機関による監査を行う仕組みが整備された。また、国土交通省による総合的対策として全85項目が実施されている。

「ただ交通安全というのは、バス事故に限らず、終わりはないと思っています。これからも遺族会の活動は、意見交換を引き続き行っていって、事故が起こらないようなことに対して微力ながら働きかけを続けていきたいと思っています」

2018年には、13の遺族家族が合同で慰霊碑を設立した。慰霊碑には子供たちの名前とともに、「風化させない」「未来を語り継ぐ」という思いが込められている。毎年1月15日前後には「安全安心なバス運行を誓う集い」を開催し、風化防止と安全意識の継承に取り組んでいる。