個人のバイアスの作られ方

さて、アンコンシャスバイアスの個人差はどのように作り上げられるのだろうか。

アンコンシャスバイアスは、日常触れる情報の連合から作り出される。たとえば日常で何気なく触れる高級ブランドや化粧品のモデルが白人ばかりだとすると、「白人」と「美しい」が連合される。アンコンシャスバイアスは、このように知らず知らずのうちに受け取った情報から特定の人種や集団と評価を結びつけて作り上げられるのである。

メディアはアンコンシャスバイアスを培養する素地となる可能性を持つ。筆者の場合、小学校低学年の頃にはアイドルのくるくるした髪形に憧れ、小学校中学年では当時流行っていた厚底の靴を親にねだった記憶がある。共働きの両親を待つために、テレビを見て育っていたせいかもしれない。テレビから流される情報をそのままシャワーのようにあびて成長していた。

このように子どもは環境の影響をもろに受ける。子どもは目に入るものすべてに興味がわき、流されていく。なにがよいか悪いかを教わるより前に、大量に入力される “流行りもの”にとらわれていく。これがアンコンシャスバイアスの素地になっている可能性が大いにある。メディアの影響は子どもにはより強くでるのだ。

ルッキズムが作られるメカニズムを知るためには、アンコンシャスバイアスを作り上げる学習プロセスを把握することの必要性が理解できるであろう。この学習は子どもで強かったが、その影響はなんと、赤ちゃんのころから始まる。次に赤ちゃんの学習について話を進めよう。