スーパー・ドラッグストア・コンビニ…小売業界は大戦国時代

競争はドラッグストア業界を超え、小売業界は“毎日のお買い物客”の争奪戦となっています。
商店街・百貨店が併存していた時代を経て、自動車が普及した1970~80年代にはダイエー・イトーヨーカドーなどの「総合スーパー」が登場。同時期、コナカ・アオキ(紳士服)、オートバックス(カー用品)、カインズ・コーナン(ホームセンター)といった男性向けの「国道沿いの店」も広がり始めました。
女性の社会進出が進んだ2000年代以降は、特に地方で軽自動車が普及。「女性が自分で車を運転して買い物に行く」という買い物スタイルが拡大しました。総合スーパーは「食品スーパー」となり、ユニクロ・しまむら・ニトリ・ドラッグストアといった専門店が成長。食品スーパーと専門店を合わせ持つ「ショッピングモール」も登場しました。
なお、軽自動車保有台数とドラッグストア市場の成長は軌を一にしています(Mizuho Industry Focus Vol.172より)。
現状、食料品を提供する場所として、「食品スーパー」「ドラッグストア」「コンビニ」が三つ巴の状態。ドラッグストアはフード&ドラッグ戦略で食品スーパーに対抗しています。一方、「コンビニサイズのスーパー」という新業態で食品スーパーに対抗しているのがコンビニです。
現在の食品スーパーは基本的に、効率よりも鮮度を重視する「関西スーパー方式」で運営されています。これは、店舗ごとにバックヤードを設けて人員を配置し、常に新鮮な商品を提供する仕組みですが、効率が良いとは言えません。一方、コンビニはセントラルキッチンから各店舗に商品を配送する効率重視のシステムですが、その分鮮度の優先順位は低くなります。
スーパーと戦うため、この「鮮度と効率の両立」という難題を解決したのがITとAIです。AIが需要を分析・予測し、必要な商品を必要な時間に配送できるようになったため、バックヤードを持たない「コンビニサイズのスーパー」が可能になりました。
例えば、イオングループの「まいばすけっと」の店舗数は2015年~2024年の10年で2倍(1204店)になっています(2025年2月28日時点 まいばすけっとHPより)。














