犯罪被害者が「正確な報道」をさせる

1.より正確な報道をさせられる
(酒井肇さん)
「マスメディアというのは、警察などの取材に基づいた報道を行います。ところがそれが私たち犯罪被害者にとって正しいものばかりとは限りません。私たちが被害者自身が取材を受けることで、メディアにより正確な報道をしていただくことにつながります」
2.多くの情報を得られる
(酒井肇さん)
「私たちがメディアと接することによって、メディアが持つ多大で膨大な情報を得ることができます。接しなかったらこうした情報は得ることができません。私たちはマスメディアの協力によって、被害者にとって重要なサポートができる支援者につながりました。これも犯罪被害者にとって大きなメリットです」
3.社会に広く声が届く
(酒井肇さん)
「私たちが街頭で叫んでも声が届きません。しかしながら報道に乗って私たちの思いや要望は社会に届きます。私たちの声は人々の胸を打つものもあると思います。社会に広く事件の理不尽を訴える力もあります。私たちの声は、場合によっては法律や制度の改正に結びつくことがあります」
娘の最期のメッセージをきっかけに、前に進むことを決めた酒井さん。酒井さんが提案する被害者支援のネットワークは画期的な視点でもあり、いっぽうで、冷静かつ鋭い指摘をマスメディアに投げかけている。
酒井さんは「起きた事件や子どもたちの死は、私たち遺族だけのものではありません。事件を取り巻く全ての人々は、それをどのように受け止め、何をするかによって意味が生まれてくるのだと思います。」と話して講演を終えた。
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