石巻の夏が始まる

夏がはじまる頃、ずっと使っていた店のサインポールが故障してしまいました。

山田弘子さん:
「買ったって長生きできないからやめた。故障って貼って来なかったらいいやって思うけど、お客さん来るんですよ」

ラジオの音:
「河北新報ニュースです。今年は終戦から80年の節目で戦争の惨禍を直接知る世代の減少が進んでいます」

山田弘子さん:
「学校に行くときにサイレンなる。空襲警報あるから、田んぼのあぜ道の伏せて動くなって言われる。機銃掃射で撃たれるの」

「親なくして、子どもたち駅前で倒れて死んでる。でも、皆知らんぷり、自分たちも逃げるから。ああいう経験した人しか分からない」

弘子さん:
「人生長いようで短い。いろいろな経験をしたからあっという間にすぎた。今が一番幸せ。仕事できるからいいっちゃね」

苦難もありながら店に立ち続けてきた弘子さん。乗り越えられたのは持ち前の明るさがあってこそです。