雲のもとのもうひとつの有力候補 植物由来の「フザリウム」
地衣類が雲のもとではないかという研究は継続して行われていますが、牧教授の研究室ではもうひとつ有力な候補が今浮上しています。
近畿大学理工学部・牧輝弥教授「筑波の上空500メートルから採取した大気粒子、ここからですねフザリウム。分離培養できたんです。一般的には植物の葉っぱの表面、そこに住んでるというか生息しているというふうに言われています」
フザリウムはカビの一種で、道端に生えているいわゆる「雑草」についているものですが、植物にとっては感染症を引き起こす有害菌です。
このフザリウムも、地衣類と同じように比較的高い温度で氷核活性が起きることがわかりました。
近畿大学理工学部・牧輝弥教授「氷核活性が高いのはだいたい-7度より高いあたり。クラドスポリウム(カビ)やバチルス(細菌)の氷核活性は-16度から高くても-13度ぐらい。それが、フザリウムが作った粒子を入れた培地で培養すると、バチルスの氷核活性がフザリウム並みに上がることがわかっている。バチルスが-16度ぐらいでしか氷を作らない能力のところ、フザリウムの粒子を入れた培地で培養すると-7度まで上がる」
フザリウムが上空のクロカビと結びついて、こちらも「キャラ変」をして雲のもとになっているのではとの仮説も加わり、研究室での追究は進んでいます。














