「子どもを守ることを最優先に」始まった通報義務の課題

国は今、不適切保育や虐待を防ぐ新たな対策に乗り出している。

三原じゅん子 こども政策担当大臣(2025年7月・当時)
「職員による虐待の疑いがある場合には、速やかに自治体に通報していただきたい」

10月から保育園や幼稚園などの職員によって、虐待をされたと思われる子どもを発見した場合、自治体への通報が義務付けられた。

専門家は、通報を受ける自治体側は、子どもを守ることを最優先に動くべきだと指摘する。

保育を考える全国弁護士ネットワーク 川岸卓哉 弁護士
「証拠がないと動けないというような現場の対応。『これだけでは(証拠が)足りないから動けないよ』という姿勢は、行政にはよくあることではあるが、この分野では、そういった対応はとられるべきではないと考えている。基本は子どもを守るという目的の上でやっているわけなので、通報があった以上は、確実な証拠がなくても、まずは調査をする」

村上さんのケースは、音声を証拠として出したことでようやく事態が動き始めた。だが本当は、自分と母親が通報した段階で、子どもたちを守ってほしかったと話す。

子育て支援員として当時勤務 村上さん(仮名)
「子どもたちが、怖いから行きたくないと言うのは嘘じゃないと思う。園に言ったところで、園は『そんなことないですよ』と逃げる。だからこそ行政に言った。だけど、こんな結果になっている。一番の被害は子どもたち」