全国で相次いでいる不適切保育。虐待についての通報があっても、証拠がないという理由で行政が動かないケースは少なくない。保護者らが自ら動いて入手した音声からは、「密室」とも呼ばれる保育室で起きていることの、実態が浮かび上がる。

2歳の娘に異変 保育園に相談も「いつもと変わらない」 

保育士A「自分で歩きなさい、足があるんだから」

これは福岡市にある保育園で録音された音声だ。保育士2人が2歳児に向けて容姿をからかうような言葉を続ける。

保育士B「目玉がとれちゃう、カメレオンに似てます」
保育士A「褒め言葉よ」
保育士A「マンボウみたいよ。魚でいうと」
保育士A「びっくりだった」
保育士B「ブサイク」

録音したのは2歳の娘を通わせる夫婦。8月ごろ、娘を保育園に連れていこうとすると、異変が起こった。

母親
「私たちの服をつかんで離さず、吐くほど泣いたりとか。(娘が)自分の髪を抜けるまで引っ張り続けたり、保育園のカバンを投げて嫌だと泣き続けてのけぞるという行為が毎朝続いて。私たちのことをいきなり叩いてくることが増えた」

一体何が起きているのかと、何度も保育園に相談した。だが、「園でのお子さんの様子はいつもと変わらない」としか言われなかったという。

父親
「(園に)不信感を抱いてしまって、自分の子を守れるのは自分しかいない」

夫婦は悩んだ末、娘のバッグにボイスレコーダーを入れることにした。すると…