日中関係が悪化する中、観光客の減少など経済的打撃が懸念されていますが、特に心配されているのは「レアアースの輸出規制」とも言われています。
現在、レアアースは中国が市場をほぼ独占していますが、この一強体制を打破できるかもしれない世界的な発見もあるようです。
そもそもレアアースとはどのような資源なのか?レアアースをめぐる世界の動きは?レアアースの未来はどうなる?東京大学・中村謙太郎教授への取材を交えてまとめました。
“第三次産業革”を支えるレアアースとは?

文明の進化をエネルギーから見た場合、“第三次産業革”を支えているのが「レアアース」。
電気自動車・スマホの振動・ドローン・風力発電や、蛍光灯・LED照明・ディスプレイパネルなどに使われていて、現在の私たちの生活に欠かせない資源になっています。
また、アメリカがレアアースの動向に躍起になっているのは、レアアースが軍事技術にも使用されるためです。
▼第一次産業革命⇒石炭
▼第二次産業革命⇒石油
▼第三次産業革命⇒レアアース
日本では、特定の産業で重要な役割を果たす金属が「レアメタル」(現在31種類)として指定されています。存在量が少なく精錬が難しい、コバルト・ニッケル・リチウムなどの “レア”な金属です。
このレアメタルのうち、ジスプロシウム・ネオジム(強力磁石)など17種類の元素を「レアアース」(希土類)と言い、さらに、質量の大きいものほど希少性が高く、軽いレアアースを「軽希土」、重いレアアースを「重希土」と呼んでいます。














